牛死せり片眼は蒲公英に触れて 鈴木牛後

横倒れに牛が死にきった。眼は開いているが生の光は宿らない。「蒲公英」が片目に触れるが、異物と感じることはもうない。

しかし、読者は、「蒲公英」が眼に触れるざわざわと冷たい感覚を想像せずにはいられない。

〈死〉のリアルな厳然さが突きつけられる。

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