投稿

4月, 2023の投稿を表示しています

イメージ
  櫻    岡田一実   早打ちの木魚嬉しき櫻かな  檀家さん寺の櫻を惚れ惚れと  ほのぼのをあまぎる花や百代(ももよ)橋  ゆふ冷えをくれなゐくらく花の蕊  満席と謝されしばしを花の道  俳人や何々のこと花のこと  懐ききてかわいい犬や花の風  根方よりところ離れて落花疎に  花むしり嗅ぎそこそこで川に捨つ  花冷や水面を広く鷺の影  ビール持ち座せば忽ち花の宴  やどりして山に花降る洗桶  恋ひめやも葉を吹く風の山櫻  裏し表し浮きあがる花一片  閃閃と繁(しば)鳴く鳥や昼櫻  霾(つちふる)のゆふべや花を並び座し  鵯のけふ花鳥と申すべう  夕ざくらアオザイを歩に揺らしつつ  花白し蹲み向きあふ母むすめ  櫻まつりの出店の裏や川向かう  半月をふた日過ぎたる櫻かな  水平に羽張る鳥や夕櫻  ラケットのぱこんぱこーんや夕櫻  俤の朝の櫻や夜半に覚め  我を待つ花の散華に置きし我