月蝕






月蝕    岡田一実  
月蝕や空をのぼれる冬の音 
山眠る赭(そほ)うすうすと蝕の月 
世帯たがへ見る月蝕や関東煮 
熱燗や左あかるき蝕の月 
蝕いまは三日月ぐらゐ返り花 
底冷や光得てきし蝕の月 
蝕尽きて精(くは)しき白の冬の月 

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