正月

正月      岡田一実 寝にかかる除夜の日越えの華やぎを 初笑そののち呵呵と笑ひ継ぐ 初詣食後その景うす忘れ 撫でなでて撫で殺したり姫始 朝が来て夜が来て朝の繪双六 松のうへ海ひとすぢや結昆布 初夢の酢の香のなかに醒めにけり 横たはる昼の年酒に酔へる身が 除日より晴れて四日のけふも晴れ かたちなき空気かしこし松の内 ごぎやうはこべらまるで平時の七種粥 松過やむらさきの闇厚積もり
 正月    岡田一実  
 寝にかかる除夜の日越えの華やぎを
 初笑そののち呵呵と笑ひ継ぐ
 初詣食後その景うす忘れ
 撫でなでて撫で殺したり姫始
 朝が来て夜が来て朝の繪双六
 松のうへ海ひとすぢや結昆布
 初夢の酢の香のなかに醒めにけり
 横たはる昼の年酒に酔へる身が
 除日より晴れて四日のけふも晴れ
 かたちなき空気かしこし松の内
 ごぎやうはこべらまるで平時の七種粥
 松過やむらさきの闇厚積もり

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