白雲

白雲    岡田一実  
水鳥や映りし山の澪に潰(つ)え 
黄の看板赤の文字即中華冬 
焰いま青く響(とよ)もすガスストーブ 
裸木に裸の枝が伸びてゐし 
凍滝や白雲天を巻き奔り 
凍蝶に天地有情の阿吽かな 
唇に陶器の熱し雪女 
枯芝に枯れ方ちがふ濃きところ 
探梅や日が傾くと晴れてきて 
存(ながら)ふる靄が積まれし雪のうへ 
雪破(や)れてひよろりと長し杉朽葉 
交合を闇の白めく追儺かな  

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